10月は神無月と言われます。出雲大社に日本中の神様が集まって会議をする月です。ですが、神無月にも関わらず、お祭りで盛り上がってしまう東京があるのです。
東京の恵比寿講をご紹介します。
恵比寿講べったら市-東京日本橋の秋は漬け物で盛り上がる
お社の正式名称は宝田恵比寿神社。東京都中央区日本橋本町3丁目10-11に位置します。
行き慣れた賑やかな日本橋大通りからは首都高速を越えてオフィス街へ向かいます。
お祭りのない時期に尋ねると予想外に小さなお社で驚くかもしれません。が、祀られている恵比寿様はすごいのです。
宝田恵比寿神社の創建年代は正確にはわからないそうです。慶長十一年(1606年)には、祀られていた記録があり、徳川家康さんが江戸にくるまでは江戸城のすぐ側に鎮守していたといいます。お城の拡張工事のためお社は移転することになり、お社を守っていた村の方々と一緒に今の場所に。移転後、宝田恵比寿神社が鎮座する土地は、金銀為替取引や水陸運輸などの重要な役割を担うこととなり大変賑わうことになりました。それが現在の大伝馬町<ここ>です。ここは今も老舗の大小商社が軒を並べる商家の町なのです。
べったら市の始まりは、恵比寿講の祭事に使用する神具や打出の小槌、懸鯛、切山椒などを買うためだったといいます。江戸時代から恵比寿講の前日には、参道に市が立ち、魚や野菜、神棚などが売られていたのです。それは商家にとっては最大の稼ぎ時になる歳末を迎え、商売繁盛を願う大事なお祭でしたし、今でもそうです。
べったら市のトレードマークの大提灯が通りの真ん中に掲げられ、べったら市と恵比寿神祭がいよいよはじまります。ここからが皮切りとなって年末商戦の始まりです。そう考えると江戸下町の風物詩でもありますが、今でも祭の本質は変わっていないということなのでしょう。
最近は中央区のパワースポットとか言われている宝田恵比寿神社さん。
ご祭神は、事代主命(ことしろぬしのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)、大国主神(おおくにぬしのかみ)、大己貴命(おおなむじのみこと)、素盞嗚命(すさのおのみこと)です。
ご神体が恵比寿神です。平安時代から鎌倉時代にかけて活動した仏師である、運慶の作とも伝えられています。日本橋七福神の恵比寿神としても信仰されています。
最寄り駅は、東京メトロ小伝馬町駅 三越前駅/JR総武本線 新日本橋駅
オフィス街でもあるので、開催はお昼12時の始まりで夜9時(21:00)終わりです
神無月になぜ祭-恵比寿講は不思議な夜空間
そういえば10月は神無月といわれて神様が居ない月ですよね
なんで宝田恵比寿神社の神様は出雲に行かないのか?それは恵比寿さまだから。
では詳しく。恵比寿講という言葉をお聞きになった事はありますか?地域によって違いますがおおよそ10月20日か11月20日に行われるお祭です。ほかにも恵比寿様には十日えびすというお祭りもありますよね。
神無月(旧暦10月)に出雲にいかない恵比寿さま。理由は恵比寿様が多くの神様が町や村を留守にしなければならない時にしっかりとみんなを守ってくださる「留守神」だからです。恵比寿様はずっとそこにいてくださる神様なのです。
だから神無月なのですが、宝田恵比寿神社さんでお祭りが行われてもおかしなことではありません。
毎年10月20日の恵比寿神祭とその前日がお祭の日になります。
お祭の当日、静かだったオフィス街は提灯の灯りが並び幻想的な江戸へと変わり一気に賑やかな空間に変わります。
東京日本橋の秋の風物詩、恵比寿神祭とべったら市。道の両側に屋台・露天500店ほどが並び、人々が繰り出し、提灯に灯りがともり、19日には16時から近隣の児童が引く子どもみこしや山車、大神輿が繰り出します。また20日には17時から三井住友銀行人形町支店前で「べったら音頭」の盆踊りが催されます。どんな詩なのか気になりますね。
例年通り地元の老舗や地元団体も多く出店する予定。べったら漬けのお店はもちろん、和紙の老舗や江戸から続く仕出し料理屋さんもお店を出します。名だたる老舗の露天がたくさん出るのですからまさに江戸、江戸ですよ。
できれば雨は降ってほしくないですね。土砂降りでなければ、江戸っ子の滾る血潮で雨天決行してほしいと思います。
約10万人もの人が集まってくるのでそんなに寒くならないかなぁ〜とか思っていると急に冷える事があるのが秋の東京です。夜こそメインのお祭りなので、寒さ対策に一枚ショールや上着を持って行くといいかもしれません。
帰りがけにコレド室町(〜23時まで)に寄っても素敵な時間が過ごせますよ
「べったら」の正体とは-縄につけて振り回しちゃダメ
このお祭りは大根の浅漬け「べったら漬」発祥の地でもあります。十月十九日に行われる「べったら市」って何なんだろうと思うでしょう。「べったら漬」っていう大根のお漬け物を売ってるお店がたくさん露天ででるんです。この「べったら漬」はお漬け物なのに甘くて、東東京エリアの秋から冬にかけてのお祭りではよく露天が出るのです。生まれた時から東京だけどなんで「べったら」っていうのか今まで気にもしませんでした。『そういう名前のお漬け物なんだね』って思ってたから。今回調べてビックリです。
昔は包装紙がなかったのでお漬け物は縄でしばって手に下げて帰ったそうです。はっちゃけた若い衆がそれを振り回したり、他人(若い女子)にくっつけちゃったりしたら、、、べったり。
そうだったんだ、、、、。
男子が参詣のために着飾った女の子たちに「べったらだー、べったらだー」とさわぎながら、 大根持って追いかけまわした、、、って、男子ってば江戸時代から変わんないね。
「べったら漬」の始まりは大伝馬町宝田恵比寿神社例祭の市に、百姓さんが飴と糀で漬けた大根を浅漬と称して売り出したことから。そして、上にかいた通りの経緯で「べったら漬」と呼呼ばれるようになったということです。「べったら漬」はお店ごとに味付けが違いますし、“皮つき”と“皮なし”で食感が変わりす。絶対試食ができるので、まずは召し上がってお気に入りを探してみてください。お値段は1本や半本、グラム数などサイズで決まるようです。私が買っているのは丸々1本で千円弱だったかと思います。
「べったら漬」の老舗と言えば「にいたか屋」さんですね。宮内庁御用達でしたから。昭和天皇も大変お好きだったと「にいたか屋」さんのHPに書いてあります。歴史がありますね。
べったら、べったら市は秋・晩秋の季語です
雨のこる べつたら市の 薄れ月 水原秋櫻子

これから秋が深まり東京の街路樹も彩りを増していきます<大手町>